かんたん伝わる文章術

【例文あり】箇条書き・ナンバリングで情報を整理し「伝わる」文章作成ステップ

Tags: 箇条書き, ナンバリング, 文章構成, 情報整理, ビジネス文書

ビジネスメールや報告書を作成する際に、伝えたい情報が多いと、文章が長くなり読みにくくなってしまうことがあります。箇条書きやナンバリングを活用することで、情報を整理し、相手に意図が正確かつ迅速に伝わる文章を作成することが可能です。

しかし、単に情報を並べただけでは、かえって分かりにくくなることもあります。ここでは、箇条書きとナンバリングを効果的に使い、「伝わる」文章を作成するための具体的なステップとテクニックをご紹介します。

箇条書き・ナンバリングが文章を「伝わる」ものに変える理由

なぜ、ビジネス文章において箇条書きやナンバリングが推奨されるのでしょうか。それは、これらの表現形式が以下の利点を持つためです。

これらの利点を最大限に引き出すためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。

効果的な箇条書き・ナンバリングの基本原則

箇条書きやナンバリングを効果的に使うための基本的な原則を理解しましょう。

  1. 項目は簡潔に表現する: 一つの項目には、一つの主要な情報を含めるようにします。長く複雑な内容は避け、 핵심 を捉えた表現を心がけます。
  2. 項目の「粒度」を揃える: 同じレベルの項目は、内容の抽象度や文末表現(体言止め、〜ます形など)を揃えると、全体のまとまりが良くなります。

    • 悪い例: 本日の会議の確認事項です。
      • 先週の議事録をご確認ください
      • 〇〇プロジェクトの進捗報告の件
      • 次回の開催日時
    • 良い例: 本日の会議の確認事項です。
      • 先週の議事録確認
      • 〇〇プロジェクトの進捗報告
      • 次回の開催日時調整
  3. 適切に「導入文」を添える: 箇条書きやナンバリングのリストに入る前に、「以下の点をご確認ください」「手順は次の通りです」といった導入文を入れることで、リストの内容が何に関するものなのかを明確に示せます。

    • 悪い例: ・〇〇に関する資料 ・△△の報告書 ・□□の申請書
    • 良い例: 明日の会議にご持参いただきたい資料は以下の通りです。 ・〇〇に関する資料 ・△△の報告書 ・□□の申請書
  4. 並列関係と包含関係を意識する: 箇条書き(・や-など)は複数の並列する要素を並べるのに適しています。ナンバリング(1, 2, 3など)は、手順、順序、優先順位、論理的なステップを示すのに適しています。項目の中にさらに詳細がある場合は、ネスト(字下げや異なる記号・番号の使用)を活用します。

箇条書き(・など)を効果的に使う場面と例文

箇条書きは、順不同の複数の要素を並列に示す際に有効です。

ナンバリング(1, 2, 3など)を効果的に使う場面と例文

ナンバリングは、順序や手順、優先順位、論理的な流れを示す際に有効です。

ネスト(階層化)を適切に活用する

項目の中にさらに詳細な情報がある場合は、ネスト(字下げして、親項目とは異なる記号や番号を使用する)を活用すると、情報の構造が分かりやすくなります。ただし、ネストを深くしすぎるとかえって複雑になるため、通常は2階層程度に留めるのが望ましいです。

例文: 今期の事業計画における主な目標と取り組みは以下の通りです。 1. 売上目標の達成 * 新規顧客の獲得 * オンライン広告の強化 * 展示会への出展 * 既存顧客へのクロスセル強化 * 新製品情報の提供 * 個別ヒアリングの実施 2. 顧客満足度の向上 * カスタマーサポート体制の強化 * ユーザーコミュニティの活性化

この例では、「1. 売上目標の達成」の下に「新規顧客の獲得」と「既存顧客へのクロスセル強化」という取り組みがあり、さらにそれぞれの取り組みに関する具体的な施策がネストされています。

実践のためのチェックポイント

箇条書きやナンバリングを使った文章を作成したら、以下の点をチェックしてみましょう。

まとめ

箇条書きやナンバリングは、情報を整理し、文章の伝達力を高めるための強力なツールです。単に記号や数字を付けるだけでなく、ここでご紹介した基本原則や使い分けのポイントを意識することで、より効果的に「伝わる」ビジネス文章を作成できるようになります。

日々のメールや報告書作成で、情報の整理に迷った際には、ぜひこれらのテクニックを積極的に活用してみてください。シンプルな工夫で、あなたの文章がより分かりやすく、そして正確に相手に伝わるようになることが期待できます。